注文住宅は施主の希望を反映できるものだが、“見た目だけ”にとらわれて柱、フローリング、外装建材などを選んでしまうと、あとあと後悔してしまうこともあるだろう。
まずはこれらの建材を選ぶ際のポイントについて、知っておこう。
まずは、柱やフローリングに使用される木材について。ひと口に木材といっても、その種類は様々。主に以下のようなものがある。
これら素材そのものの特性に加えて、柱やフローリング材の良し悪しに大きく影響するのは強度や耐久性。
表面にキズ防止のコーティング加工がされているものや、圧縮処理がされているものなどは見た目が均一で美しいだけでなく耐久性にも優れている。
その分、費用は高くなりがち。例えばフローリング材が1m2当たり4,000円前後ならリーズナブルと言えますが、強度の高いものは8,000~12,000円まであるので確認しておこう。
こうしたポイントを踏まえた上で、ベストな選択をすることが大切。
住宅の外装部は建物を守る耐久性はもちろんだが、メンテナンスが少なくても外装の劣化が少なくて済むものや汚れがつきにくいもの、雨で汚れが落ちやすいといった特徴をもっているものなども選べるようになっている。
そうした特性を左右するのは外壁材の種類と外壁塗料になる。
■モルタル系
セメントなどと一緒に練り上げたモルタル材を塗っていき、乾燥させ、塗料を塗るタイプの外壁。表面の仕上がり具合など、いくつか種類がある。
■サイディングボード
タイル状の板を貼っていくタイプの外壁。板のつなぎ目である「目地」にゴム状のシーリング材が埋め込まれている。
■板張り
「下見板」「羽目板」とも言い、その名の通り、木材を使用した外壁。純和風建築などに用いられている。
■アクリル系塗料
コスト面では割安な反面、紫外線には弱く耐用年数も5年から8年程度。
■ウレタン系塗料
アクリル系に比べ紫外線に強く、水弾き性も優れていますが、汚れやすい短所も。価格はやや高価で耐用年数は6年から10年程度。
■シリコン系塗料
より紫外線に強く親水性もあるため、汚れを防ぐ効果が望める。価格はウレタンより高価となりますが、耐用年数も8年~15年程度。
■フッ素系塗料
外壁用塗料としては最も耐用年数が長く、12年~20年を誇るが、その反面価格も高くなる。
■光触媒
光に当たると電子などが発生してカビや油分汚れなどを分解し、さらに親水性で分解された汚れを雨で洗い流すという特徴がある。汚れに強い塗料として注目を集めているようだ。
さらにつけ加えると、最近では耐震についての関心が高まりから、建材の強度と並び、軽さも一つの性能と見なされている。これらの性能を満たしているほど、高級な建材と言えるだろう。例えば、一般的な戸建住宅の場合、普及価格帯の外装建材が100万円前後で揃うのに対し、高級価格帯では300万~400万円となることもある。
フローリングに使われている床材には、色々な種類がある。床材を選ぶときは、それぞれの特徴をおさえておこう。
■無垢フローリング
木材から一枚の板を切り出して、それを加工してできた床材。フローリングで使用される床材は、スギ・ヒノキ・サクラ・オーク・パイン・ブナなど数多くの種類がある。
無垢材は時間の経過とともに色合いが変化する天然素材です。少しずつ増してゆく味わいを、生活をしながら楽しむことができるだろう。ほかにも、調湿作用や、冬にはだしで歩いたときに温もりを感じやすいなどの特徴がある。
■複合(合板)フローリング
薄い板を重ねてできている床材で、表面には木材もしくは木目調の化粧シートが貼られている。費用は、無垢材よりもリーズナブル。防水性が備わってる化粧シートが使われている場合は、液体をこぼしたときでも楽に掃除ができる。ほかには、遮音性に優れているものもあり、複合フローリングはコストパフォーマンスに優れている床材だ。
ただし、無垢材と比べると、経年劣化による素材の味わいを楽しむのには不向き。調湿作用も備わっていないため注意がい。
■クッションフロア
クッションフロアは、弾力をもつ床材です。床に弾力性があることによって、膝や腰にかかる負担が軽減される。また、素材として使われている塩化ビニールは、防水性があるため、水がこぼれたときでも掃除がしやすい。クッションフロアは、トイレや洗面台の床によく使用されている。
欠点としては、重さに弱いこと。重量のある家具が長いあいだ置いたままの状態が続くと、次第にへこんでいく。ほかには、熱にも弱いので、日あたりがよい部屋には不向きだ。
■タイル
やきものでできた薄くてかたい板。素足で歩いたときには冷たさを感じやすい床材なので、家の中では玄関や土間に使われることが多い。タイルは吸水性が低いので、汚れが目立つときは水洗いで強くこするような掃除が可能。
床以外では、トイレやキッチン、浴室などの水回りによく使用されている。
■畳
畳には、いくつかのメリットがある。1つめが、調湿効果。湿気を吸収するので、夏でも気持ちよく過ごしやすい利点があるようだ。2つめは、い草の香り。この香りは、リラックス効果があると言われている。3つめはクッション性で、歩いたときの防音効果が期待できる。
畳のデメリットとしては、定期的なメンテナンスが必要なこと。ほかには、日焼けでい草の色が、少しづつ退色する点も頭に入れておく必要がある。
■カーペット
カーペットは、クッション性と吸音性が備わっているので、足腰への負担が少なく足音が下の階に伝わりにくい。また、防滑性があるので、すべって転んでしまうような状況を防ぐ働きがある。それらに加えて保温性もあるので、寒い時期に効果的な床材である。
大きな欠点としては、ダニが発生しやすい、汚れがおちにくい、夏に不快感を感じやすいの3つが挙げられる。最近では、これらの欠点に対策を施したカーペットが販売されている。