注文住宅の土地探しは決して簡単ではありません。
川崎や多摩区などは、土地の分譲自体が少なくなっており、また大手の宅地開発分譲会社や建売会社間での競争も激しくなっています。
ある調査によれば、情報収集開始から土地購入契約までの平均期間は14カ月というデータもあるほどです。
そんな状況下で、望みの土地を探すには、マメなリサーチにつきます。
まずは不動産仲介会社をしらみつぶしにあたりましょう。
連絡をとることで、いい物件があれば知らせてくれるケースもあるでしょう。広告や雑誌、ポスターやチラシなども然りです。裁判所の競売物件や国有地払い下げの情報もチェックしましょう。
もうひとつ、土地探しと同時に、注文住宅会社探しも行うというやり方もあります。地域密着型の業者であれば、土地探しからサポートしてくれるケースもあり、その地域ならではの情報に精通した強みを発揮してくれることも期待できます。
また希に、注文住宅会社が自ら所有している土地を販売する場合もあります(但し、その会社が建築を請け負う条件付きがほとんどです)。土地探しの際はこの点も考慮し、目ぼしい注文住宅会社にまず相談してみるもの手です。
大きく分けて地盤や敷地、法律面、周辺環境といった要素があります。それぞれ見ていきましょう。
一軒家を建てることが決まったら、設計と並行して地盤調査が行われます。
この地盤調査は、建設予定の土地が住宅の重さに耐えられるかどうかという調査です。
一般的に「スウェーデン式サウディング試験」と呼ばれる調査で、該当の土地に重りを乗せ、地面の沈み具合を調査します。
この時にその土地があまり強くないと分かったら、また新たな土地を探すのではなく、地盤改良を行って住宅の重さに耐えられる地面に改良するのです。
こうした地盤改良には一定の費用がかかるため、地盤改良に費用をかけたくないという人は、土地の購入を決断する前に、古い地図などを見てその土地の地盤について調査すれば、過去にくぼみのあった土地であるか、またどのような歴史を辿った土地であるかと確認できます。
大昔に購入予定の土地が海だったか、また断層があるかという調査については前述したスウェーデン式サウディング試験では確認できないため、土地の購入を決める前にハザードマップなどで確認します。
川崎市では市が「ゆれやすさマップ」というマップを公開しており、各地域がゆれやすい地盤であるか、ゆれにくい地盤であるかを公表していているので、こちらをチェックすると効率的です。
一般的にゆれにくい地盤は砂や年度、砂礫などが多いとされているので、ゆれやすさマップでこれらが多い地質のエリアを選ぶとよいでしょう。
ゆれやすさマップを見てみると、川崎市では麻生区や多摩区がゆれにくい地質であることがわかります。
関東地方は近い未来に大地震が起こるといわれていますので、自信を懸念される方はこれらの地域を検討するとよいかもしれません。
ただし、ゆれやすさマップでゆれやすい地盤とされているエリアでも、建築基準法に則った形で建てられている住宅であれば安全に生活することができるそうですので、この点についてもきちんと理解しておき、あまり神経質になりすぎないようにしたいですね。
地盤については先に解説したとおりですが、自然災害による被害を避けたいのであれば、地盤だけではなく敷地の環境においても確認しておく必要があります。
大雨などで洪水が発生した際に、冠水などの水害を防ぐには、道路よりも高い位置にある敷地を選ぶことは必須です。
また、できるだけ日当たりのよい敷地を選ぶことも重要になります。
まれに図面に記載されている方角と、実際の方角にずれが生じているケースがあるほか、今は日当たりのよい場所でも、近隣の空き地に建物が建ったら日照を遮られてしまう可能性もありますので、近隣の環境においても実際に現地に出向き、しっかりチェックしておきましょう。
一度一軒家を建てる土地を決めてしまうと、あとから変更することができない場合が多いです。土地の購入を考えたら、まずは自分でその土地について可能な限り調査することをおすすめします。
前述したような、ハザードマップやゆれやすさマップの活用、またよりしっかり調査したい人は、一級建築士に土地の調査を依頼する人もいるようです。
地盤調査に必要な資料を集める技術に長けていますし、数多くの土地を見てきているプロなので、その土地が安心して暮らせる地盤であるかを正確に調査してくれます。
より費用を節約したい人は、インターネットで古い地図を見ることができるサービスもあるようですので、それらを活用して自分で調査することも可能です。